この世には『トキジクノカグノコノミ』という不思議な実がありました。
一口食べれば、年を取ることなくいつまでも生きられるという何とも不思議な実。
垂仁天皇の命令により、『田道間守(タヂマモリ)』は海の彼方にあるとされる「常世国」へ向かい、一年中香りを発するという、不老長寿の実「非時香果(トキジクノカグノコノミ)」を探し求めました。
長い年月(10年ほど)をかけて常世国から帰還したものの、すでに垂仁天皇は亡くなっていました。
田道間守は天皇に会えないことを悲しみ、天皇陵の前で自ら命を絶ったと語り継がれています。
この非時香果が日本の菓子の祖とされています。
やがて、非時香果はみかんの祖「大和橘」であることがわかりました。
今や絶滅危惧種の「大和橘」を復活栽培されておるのが「なら橘プロジェクト」です。
https://ytachibana.official.ec
ここで再生された「大和橘」をふんだんに使った香り高いあすか鍋を提供。
<大和橘実、大和橘の葉、大和橘ポン酢、大和橘コショウ>
https://www3.pref.nara.jp/nara-recipe/1045.htm
701年、飛鳥時代の大宝律令では、官制の「乳の戸」という酪農家が設けられ、天皇へ牛乳を供御された。
余乳は「蘇」と、さらに精製した「醍醐」へと加工されたと文献は伝える。
乳の戸は都の周辺に集められ、皇族に供給するための牛乳を搾乳していた。
大変貴重で珍しい「蘇」を今回、鍋のスープに使用します。
酪農家だけの特権の味、牛乳をレモン汁やお酢で固めた、ほんのりミルクの至福の味。
「乳豆腐」を手作りする。
吉野町の「原木椎茸」、田原本町味間の里芋「味間芋」
奈良の伝統野菜の「大和マナ」、「宇陀の金ごぼう」「十津川村ぶなしめじ」
大和「春菊」大和「太ねぎ」など。
「飛鳥なべ」は、本来は乳を使いますが、乳のカーゼ(乳脂肪)は、散らばって具材にくっつき見栄えが悪いので、今回は豆乳を使用。
その代わりに古代チーズ「蘇」を溶かしミルク感を出す。昆布と鰹節のだしに、豆乳を加え、白味噌、調味。
旨みと甘みのある古代の味は、まろやかで甘味のあるオリエンタルな味の出汁の完成。
その芳しい香りの「大和橘ポン酢」と「ひしお」と薬味に「大和橘こしょう」
しめは、「大和橘麺」のラーメン。
「ドライ大和橘」の食感と麺が何とも不思議な出会い。薬味は「大和橘こしょう」
◯大和肉鶏モモ 200g(下味 塩 1g 大和橘の葉)
◯鶏つくね
[A]
大和肉鶏モモ 250g
塩 1g
白ネギ(青い部分使用)25~30g
大和橘の葉 0.5g 新葉4~5枚
ショウガ 2g
[B]
卵 1個(M)
大和橘醤油 3g(小さじ1/2)
片栗粉 9g(大さじ1)
◯白菜 160g
◯大和太ねぎ(なければ白ネギ) 80g
◯水菜 80g
◯大和春菊 75g(1/2袋)
◯宇陀金ゴボウ(太ゴボウ) 60g
◯人参 40g
◯味間芋 80g(大和伝統野)
◯シイタケ 4個(80g) 1パック6個入のサイズ
◯十津川ブナシメジ 80g
◯奈良厚揚げ 三角1枚(75g)
◯大和橘 4~5個
◯牛乳豆腐 牛乳1L(できるだけ乳脂肪の高いもの)をレモン汁で固めた豆腐
◯飛鳥なべの出汁かつお昆布だし(昆布1.5% 鰹2%) 500cc
[C]
無調整豆乳 300cc
蘇 50g
白味噌 54g(大さじ3)
古代の醤油(ひしお)
薬味 大和橘胡椒
①材料の下処理
<大和肉鶏>
両面を包丁の先端で穴をあけ塩をする(縮み防止、食べやすく、そして味がなじみやすくなるように)
10分くらい置いたら、天板に大和橘の葉を敷きその上に肉を皮が上になるように置いて、230℃に温めたオーブンで10分焼く。
焼き目がつくぐらいまで焼く
<鶏つくね>
鶏ももミンチ肉、塩、白ネギ、大和橘の葉、ショウガをよく混ぜ合わせる
さらに、Bを加えて混ぜて種を仕上げる
白菜…芯は味馴染みが良いように、線に切る。長さは10㎝くらい 葉は5㎝角くらいに切る
水菜…長さ10㎝くらいに切る
大和春菊…1/2くらいの長さに切る
宇陀金ゴボウ(太ゴボウ) …斜め薄切りにしてアクを抜く
人参…短冊または半月に切る(2~3㎜の厚さ)
田原本町の味間芋…皮を剥いて5㎜の厚さに切り、水に浸ける
シイタケ…石突を切り落とし、傘が半分になるように切る
十津川ブナシメジ…石突を落としてほぐす
奈良厚揚げ…1㎝幅に切る
大和橘…洗う
<牛乳豆腐>
牛乳1Lを鍋にかけ、沸騰前にレモン汁大さじ6杯を徐々に入れよく混ぜ、乳脂肪とホエーが分離したら、布巾やペーパータオルなどで濾す。
温かいうちに固形分を絞り固めて、冷蔵庫で5~6時間冷やす。
冷やし固まった牛乳豆腐を5㎜の厚さに切る。包丁を濡らしながら切ると切りやすい。
②土鍋にだし汁と春菊以外の野菜と大和橘、焼いた鶏肉を入れて煮込む。
③煮てる間にCの材料を合わせておく。
蘇は薄切りにして、出汁で溶かし入れる。
④里芋などが柔らかくなってきたら、鶏つくねをスプーンで落とす。
⑤つくねの色が変わったら、③で合わせたCを流し込み沸騰後5分くらい煮込み、味を馴染ませる。
最後に5㎜幅に切った牛乳豆腐を浮かせる。
*器にとり、大和橘胡椒を少し加えて味わう。
⑥具材がなくなれば、大和橘麺、乾燥橘を加えて煮込み味を馴染ませる。
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